【雇用】国は豊かだが個人は低賃金。日本の賃金水準が上がらない理由

雇用

【国は豊かだが個人はそうでもない国、日本。先進7カ国最下位、OECD加盟国中25位の賃金水準が改善しない理由。】

日本はGDP世界3位の経済大国の1つ。けど、1人あたりの労働生産性が低くて賃金水準を見るとだいぶランキングが下がります。今回は経団連の中西会長が「日本の賃金水準が大分下位」になっていると発言した事でちょっと炎上していた件と併せて、弁護士ドットコムニュースを参考に『先進国の中でも賃金水準が最下位の日本』のその理由を解説したいと思います。

 

日本の低賃金の4種類の理由

弁護士ドットコムによると、『先進国の中でも賃金水準が最下位の日本』のその理由は4つあるとされていますので、解説したいと思います。

 

1 労働組合がちゃんと機能しているのか疑わしい

日本には労働組合というものが存在しています。これは組合費を支払って加入する事によって、「労働者の権利」を守る事を目的に設立されている組織です。日産労連によれば、労働組合は働く事を通して人々がより豊かに幸せになる事を目標に掲げています。労働者は労働環境に関する事に対して不満等がある場合、団体を組織して会社に抗議する事が可能ですし、もしも会社側がそれに応じない場合はストライキ(簡単にいうと、意識的に仕事に出ない)する事も可能です。

しかし、残念ながら日本にある会社の労働組合参加率は17%ほどに留まっています。これは日本での労働組合の存在感が薄く、役割を十分に果たせていない証とも言える数字です。皆、「どうせ労働組合に属していても何も変わらないじゃん。だったら組合費を支払っても意味ないよね。」と思っていると言っても良いでしょう。まぁそれ以前に「労働組合」が何なのか知らない従業員の方が多そうですが、それはより問題です。

実際、自分も自分で調べるまでそんな言葉聞いたこともありませんでしたし、どんな役割があるのかも今知りました。こんな認識が一般に広まっているのだとすれば、会社側は「従業員からの反発なんて基本的にないから、あえて給料を上げてあげる必要なんてないよね。」となるわけです。

これが一つ目の問題点です。

 

2 役員報酬が高額になるが、低賃金者は増加する

役員報酬というものをご存知でしょうか。これはどの国でも当たり前のことですが、会社の役員は普通の従業員よりも高額の報酬を受け取る事が出来ます。役員というのは社長(代表社員、代表取締役)、外部取締役、取締役、〇〇責任者と呼ばれる人たちの事で、会社の方針や経営権を持っています。会社を創業した人やその命運を決める責任を負う立場にある人たちなので、多額の給与を頂くのは当然とも言えるでしょう。

しかし問題は、役員給与は上昇しているのにも関わらず、日本の従業員の給与は減少しているという現状です。当たり前のことですが、普通に考えて役員の給与を上げる事が出来るのであれば、そこで一緒に働いている人たちの給与を上げることも可能なはずです。

ではなぜこんな現象が起きるのか?色々と理由はありますが、その理由の一つは、日本の経営者がどちらかというと自分のために会社があると勘違いしているためです。そして役員の給与を上げるのが普通であるという「資本主義的なルール」に従っているからでしょう。役員には株式の配当等も入る事が多いので、今後も更に増えていくばかりでしょう。

これが二つ目の問題点です。

 

3 雇用流動性が低い

4つほど理由があった中でも自分が気になったのは『雇用流動性が低い』事です。

所謂日本では一度会社に入ったらよっぽどの事が無いと辞めされられないという雇用のルールが有ります。その為に「雇用を守るため」という理由で経営者が低賃金で人を働かせる事を許容しています。更に言うと、日本では優秀な社員を高く雇い、そうでない社員を辞めさせるという事が『悪』と見られています。

しかし、本当に悪でしょうか?やる気のない人や、会社に合わない人が去っていくのは自然な事のようにも思います。それでもやっぱり辞めろと言われたら困る!と思うなら努力すべきですし、もしもやる気はないけど辞めさせないで!って言うなら低賃金で働くのは仕方ないのかもしれません。それにやる気とは関係なく、会社に合わない場合もあります。

ですから大事なのは『雇用を守る』ではなくて『それぞれが活躍出来る場と教育を用意する』事じゃない?と政府に言いたい。そして、会社に合わないなら辞めて次の挑戦に向かえる環境が必要だと思います。

これが理由の3つ目です。

 

4 内部留保をたくさん貯め込む日本の経営者

最後の理由は、日本の経営者が会社にお金を貯め込んでいるからです。

毎年会社にある利益のうち、株主に支払う配当を差し引いたものを「内部留保」と言います。まぁ簡単に言えば会社に余ってるお金のことです。日本の内部留保は8年連続で上昇を続けています。つまり会社にお金を貯め込みまくっていると言う事です。もしも会社として投資をしてさらに利益を伸ばそうとしているのならともかく、本来利益がでた場合は株主や労働者に対してその余りを分配してあげるものです。しかし会社に貯め込む。なぜか?

それは「何か失敗した時の言い訳」を作るためです。

経営者が経営に失敗した時の事を考えてお金を貯め込むのです。しかしなぜか社長の給料が上がるのはどう言う訳なんでしょうね。

これが4つ目の問題です。

 

日本の賃金水準が上がらない理由 まとめ

4つの理由がありました。

1 労働組合がちゃんと機能しているのか疑わしい

2 役員報酬が高額になるが、低賃金者は増加する

3 雇用流動性が低い

4 内部留保をたくさん貯め込む日本の経営者

以上の4つが『先進国の中でも賃金水準が最下位の日本』のその理由です。

これを変えるための何かが起こらない限り改善はあり得ません。新しい促進事業が生まれるのが一番手っ取り早い手段だとは思いますが今後の日本は、どうなるのでしょう。

 

では。

 

※では、起業家になりたいと思った人はこちら

【起業とは】という疑問を解消!メリットとデメリットをわかりやすく解説

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました